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お知らせ

2025.07.07幼稚園だより

7月巻頭言

園庭のあじさいが色とりどりに咲き、季節のうつろいを感じる頃となりました。梅雨の合間に見える青空には、まるで真夏のような暑さの日もありましたが、子どもたちは汗をキラキラさせながら、元気いっぱいに過ごしています。晴れた日にはプールにも入り、水しぶきを上げながら無邪気な笑顔を見せてくれました。
先月は父の日参観を行い、お父さま方にいらしていただきました。各学年で、日頃の幼稚園での様子を見ていただいたり、一緒に身体を動かしたりして、楽しいひとときを過ごしました。年少組はTシャツづくり、年中組はカプラ、年長組は陶芸と、それぞれ親子で作品を作り上げる体験も行いました。
私が松沢に来た14年前の父の日参観では、子どもも大人も緊張してピリッとした雰囲気が漂っていたものですが、今回はお父さまも子どもたちも表情が柔らかく、リラックスして楽しんでいる様子がとても印象的でした。ご両親で一緒に子育てを楽しむ時代へと変化してきたことで、お父さまたちが日頃から育児に関わり、子どもとの距離がぐっと近くなったのだと感じます。
近年の研究でも、幼児期における父親の役割が、子どもの心と体の発達にとって非常に重要であることがわかってきています。母親が共感的に寄り添う一方で、父親はダイナミックな遊びを通して、子どもに冒険心や挑戦する気持ちを育みます。また、年齢や能力に応じて少しずつ難易度を上げて成功体験を積ませることが、自己肯定感や自立心の育成に繋がっていきます。
育児に関わることで、子どもへの理解が深まり、あまりの可愛さにお母さまと同じくらい共感的になるお父さまも見受けられます。しかし「家の中にお母さんが二人」の状態になると、子どもを守りすぎてしまい、自立しようとする気持ちを妨げてしまうこともあります。父親の関わりは、子どもにとって将来の人間関係や社会性を築く上で欠かせない、大切な学びの場です。特に幼児期は、親との関係の中で心の土台が育まれる時期であり、お父さまが積極的に関わることで、子どもは多様な視点や考え方に触れ、より豊かな心を育てていきます。これからもご家庭でのふれあいの時間を大切にしながら、お父様ならではの関わりを通して、かけがえのない経験を積み重ねていってほしいと願っています。              園長 桾沢 明子