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2019.06.27幼稚園だより

7月園だより巻頭言

梅雨の合間にお日様がキラキラと降り注ぐ日が増えました。園庭のアジサイは大きな花をつけ、ガーデニングボランティアの方々が植えて下さったお花が、きれいに咲いています。

私が松沢幼稚園に来てすぐの頃の、とても印象深かった話です。年長組のお部屋に行くと、その日はお弁当をどこでどのように食べるかをグループで決める話し合いをしていました。積み木をテーブルにして食べることにしたり、ござを敷いてその上に座って食べることにしたり、食べる場所が決まったグループからお弁当の準備をします。ところが1グループだけどうしても決まりません。7人の子どもはござを敷いて食べたい言いますが、1人だけどうしてもいつものようにテーブルを出して椅子に座って食べたいと言います。担任はその様子を見守りながら、決まるまで口を出さずに待っていました。すると、とても時間をかかりましたが、子ども達は1人が主張したテーブルを出して食べることに決めました。私は「本当に良かったの?」と7人の子ども達に聞きましたが、皆すがすがしい顔で、「テーブルでも良かったんだよ」と答えました。一見すると1人の我儘をみんなが我慢して通したようにも見えます。でも子ども達の中には自分達で話し合い、自分達で譲ったという思いがあるから、皆すがすがしい顔をしているのだなと思いました。そして、自分がどうしても譲れないことに出会ったとき、友達は耳を傾けてくれ、話し合いをしてくれることを知っていたからなのでしょう。大人は早く解決するために、その解決の方法を教えたくなってしまいます。けれども遠回りでもそれぞれの意見を出し合い、納得いくまで話し合う大切さをその場面で感じました。

子ども達は毎日の遊びの中で、自分の思いをきちんと言葉で表現したり、相手の気持ちに気付いたり、どうすれば自分を相手に解って貰え、遊べるようになるのかを学習し積み重ねています。そして年長組になると、まだまだ未熟ではありますが、友達の事が見えてきて、お互いに分かり合えるようになり、認め合う姿も見られます。その認め合う仲間がいるからこそ、子ども達は安心して自分の意見を言うことができるようになるのです。そして受け入れてもらったり譲ったりしながら、人とつながるためのコミュニケーション能力を育んでいって欲しいと願います。

園長 桾沢明子

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