5月巻頭言

新緑が美しい季節となり、園庭ではパンジーやマーガレット、モッコウバラが色鮮やかに咲き誇る中、子どもたちはこいのぼりの下で元気いっぱいに遊んでいます。入園したばかりの太陽組の子どもたちは、自然の中で気持ちを解放しながら少しずつ緊張もほぐれてきたようです。進級した子どもたちは、学年が上がった喜びや自信から、小さなお友だちに優しく接する姿が見られ、お兄さんお姉さんとしての自覚を持ちはじめています。一方で、太陽組が降園した後には、先生に甘えにきたり、小さなお友達を気にせず自由に走り回ったりするなど、自分たちの世界を思いきり楽しむ姿も見られています。新しい環境の中で不安を感じることもある子どもたちですが、職員間で表情や遊びの様子を共有し合い、その気持ちに寄り添いながら支えていきたいと思います。
先日、６月に上北沢児童館で行われる「すくすくメッセ」の実行委員会に参加しました。「すくすくメッセ」は、地域の子育て情報をもっと多くの方々に知っていただきたいという願いから、関係団体が協力して開催するイベントです。松沢幼稚園も、地域の幼稚園として年中組の作品を展示する予定です。実行委員会に参加し、各団体がそれぞれの立場から地域の子どもたちを真剣に見守り、支援しようとする姿勢に深く感動しました。そこに集まった皆さん全員から、子育て中のお母さんたちが孤独を感じないよう手を差し伸べ、寄り添おうとする熱意が強く伝わってきました。そして上北沢地域全体が「子どもたちは地域のみんなで育てる」という共通意識を持ち、温かい絆で結ばれていることを実感しました。
孤独に陥りがちな子育て期間に、こうしたイベントがあることは育児中のご家族にとって大きな支えになるでしょう。また、子育て中のご家族が気軽に相談できる場所や情報交換の機会が増えることで、地域全体で子育てを支え合う関係がより深まると感じました。子育ての課題は一人で抱えるものではなく、地域全体で共有し解決していくべきだという意識が、こうした活動を通じてさらに広がっていくことを願っています。
緊張の中で過ごした４月が終わり、いよいよゴールデンウィークを迎えます。連休中は、子どもたちがしっかりとリラックスし、緊張した気持ちを解きほぐせるような時間を過ごすことが大切です。そして、休み明けには元気いっぱいに登園できるよう整えていただけたらと思います。　　　　　　　　　　　　　　園長　桾沢　明子