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お知らせ

2025.06.09幼稚園だより

6月巻頭言

日ごとに木々の緑が深まり、初夏の陽射しが眩しく輝いています。子どもたちは友達と声を掛け合いながら楽しそうに遊び、その姿から、新しい環境にも徐々に慣れてきたことが感じられます。
先日「土のがっこう」の活動をしている時、子どもたちから「幼稚園に虫が増えたような気がする」という声がありました。土のがっこうの先生は、土壌を豊かにすることで、鳥や虫が集まる多様な生物が棲みやすい環境を目指しているため、その発見をとても喜んでいました。確かに今年は、テントウムシがとてもたくさん発生しました。テントウムシは「完全変態」という昆虫の成長形態をたどり、卵から孵化して幼虫になり、脱皮を繰り返しながら蛹、そして成虫へと成長していきます。その卵から成虫までの変化する様子を身近で見ることができ、子どもたちは夢中になって観察していました。
特に蛹から成虫になる時に、お尻を振りながら脱皮する様子や、まっ黄色のテントウムシがやがて赤くなっていく様子に子どもたちは驚きと喜びを感じていました。そして「テントウムシはアブラムシを食べるんだよ」「アブラムシは雑草の葉っぱの裏にいるんだよ」など、自分たちの知っていることを情報交換しながら、観察したり捕まえてみたりしていました。こうした体験を通じて、子どもたちは生き物の生態に興味を持ち、観察する楽しさを学んでいるようです。
また、「完全変態」である仲間のアゲハチョウの幼虫を夏ミカンやきんかんの木で見つけ、今お部屋で飼育しています。蛹からアゲハチョウに羽化する瞬間は、大人でもわくわくします。間もなく蛹になりそうな緑色の幼虫や、まだ黒い鳥のフンのような幼虫を毎日お世話しながら、その成長を楽しんでいます。
小さな命を大切にする心や、自然に向き合いながら、驚きや感動する心を育むことは、子どもたちの感性を豊かにする大切な要素です。生き物と触れ合うことで生命の神秘を感じ、自然の営みに興味を持つことで、周囲の環境をより深く理解する機会となります。これからも子どもたちの好奇心を大切にしながら、生き物と共に過ごせる環境を整えていきたいと思います。      園長 桾沢明子