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お知らせ
2021.03.07幼稚園だより
3月巻頭言
日に日に厳しい寒さも和らぎ、春の陽気を感じられるようになりました。新型コロナウイルスの影響で様々な変更があった1年でしたが、その中でも日々の経験を重ね、大きく成長した子どもたちの姿が嬉しく、頼もしさを感じているこの頃です。
先日、日本女性外科医会のzoomによる勉強会に参加し、「レジリエンス(折れない心)の作り方」(熊本大学 後藤理映子先生)という講演を聞きました。「レジリエンス」とは、逆境になってもそこから立ち直り、さらに成長しようとする能力=「回復力」「復元力」「抵抗力」です。先の見通しが見えづらいこの時代、どんな変化にもしなやかに対応していく力として、今、教育現場や企業で注目されています。
講演を通して、親が子どもを思うがあまりに守りすぎたり、手や口を出しすぎたりすることが、子どもの「レジリエンス」を作る妨げになっていることを改めて感じました。「レジリエンス」を作るためには、問題が起きた時や困った事が起きた時に、それを振り返り向き合う経験を積み重ねることが大切だそうです。何が起きたのか、どう感じどう対処したのか、何故そうなったのか、そこから何を学んだのか、次はどうするのか等を考えることが、次からの問題を乗り越える力となり「レジリエンス」を作るそうです。問題に向き合うことは楽しいことではありません。できればなかったことにして逃げてしまいたい事もあるでしょう。けれども大人が子どもを守り問題を回避してあげるのではなく、問題に向き合い、自分で考え、自分で決断し、自分で責任を取れるように、子どもの考える時を見守ることが大切だとの事でした。
幼稚園で毎日、友達とたくさん遊んだ子ども達。時には自分の思いが通らなかったり、意地悪を言ってしまったり、言われて悲しい思いをしたりと、友達との関係で様々な心の葛藤もありました。ご家庭でも心を痛めることもあったかと思います。幼稚園では、ひとつひとつの事に子ども達がきちんと向き合い、考え、乗り越えられるよう支えてきました。卒園する年長組、進級する子ども達は、4月からまた新しい出会いがあります。この1年間、幼稚園で向き合い、乗り越えたことを力として積み上げ、この先も強い「レジリエンス」を作っていってくれることを願います。 園長 桾沢明子